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05 四龍恋鎖 花沢組若頭編

つくしとのCPではありません。




極道の中にもいろいろなタイプが存在する。それは一般社会の中と何ら変わりがなく組と言われる組織はひとつの企業と同じような役割を果たす。組長の次の地位にあたるのが若頭。この若頭たちにも様々なタイプがある。

ここ花沢組の若頭 花沢 類

彼は見た目極道と思うものは誰1人としていないだろう。血の気の多い人間とは真逆のタイプ。図書館で本でも開いているのが自然ではないだろうか。だがひとたび抗争が起きると彼は一変する。花沢の若頭の策は穴がないと言われるほどの策士。

自ら血なまぐさい事へ手を染めるような真似はしないが、その地位にいる事に異論がないほど腕の方も確かだ。狙われやすい地位にいるものとして当然ではあるが抗争のさなかであっても荒々しさは見られない。そもそも若頭という地位に興味も執着もないのであろう。

そんな花沢組の若頭はインテリヤクザと称され学歴もさることながら現在はビジネスの方へ進出をしている。



「若、そろそろ屋敷の方へお戻りになられた方が」
「先に帰って」


類は極端すぎるほどマイペース。若頭が仕事をしているのに先に帰るわけにいかない下の連中は当然ながら徹夜を強いられる。だが朝になって顔を合わせても


「いたの?」
まるでそこにいることすら邪魔であるかのような言葉を放つ。


そんな若頭であってもその策士ぶりに一目おかれる存在であり、人は自分にないものに強い憧れを抱くという見本だろう。誰もが類に仕える事を好んだ。
午前3時を回りデスクの上のパソコンの電源を落とす。組事務所ではなくビジネスの為に借りているオフィスを出ると


「若、お疲れさまでごぜぇやす」


静かに黒塗りの車のドアが開かれた瞬間、類の瞳が何かを捉える。
その一瞬の輝きを目にしたものは呼吸する事を忘れてしまうほど怪しい光を放ち次の瞬間にはしなやかな動きで身をかわしたと思うとドスッという鈍い音が響く。
足元付近で聞こえる唸り声にはもう興味もないようで後部座席へと乗り込むとゆっくりとドアが閉じられ夜の帳の降りた街を車は走り出す。


「若、お怪我は」
「見ればわかるでしょ」
「へ…へい」


極道の中でも一応の社交辞令。だがそれに返答する事そのものが類には億劫でならない。


「2人して気づかないってどういうこと」


決して声を荒げることもなくいつもと同じトーンそして同じ速度で淡々と語られるが運転手も付き人として護衛にあたっている組員も背中には冷たい汗が流れる。


「俺、仕事して疲れてんだよね」
「へ…へい申し訳ありやせん」


謝罪の言葉以外は受け付けず言い訳などはもっての他なのは百も承知。
類付きも今日が最後だと肩を落とした。



「あ…あそこ寄ってく」


運転席側の2人はまた全身に緊張が走る。若頭の言っている『あそこ』これを外す事は出来ない。策を練る時とは別人のように普段の若頭は実に思いつきで動く人間であった。したがって類のいう『あそこ』とはいつ思い立ったか。何の為にそこへ行くのか瞬時に頭の中を巡らせなければならない。だが、先ほどの失敗が後をひき思うように考えが至らない。イチかバチかで運転手の男が口を開いた。



「静さんのところでごぜぇやしょうか」
「ほかにどこがあんの」


外さなかったことは幸いだが、類の機嫌が悪い事は十分過ぎるほどに伝わってくる。
そもそも静のところだと断言しなかったのにも理由がある。時間が時間だ。

午前3時だという事をわかっているのだろうか。大概の人間は深い眠りに入っているのが普通であって、その時間に恋人とはいえ連絡もせず訪問するとは思わないだろう。だが確認したのは、やはりこの若頭が類という男で自分時間で動くという事を知っているからであった。



住宅街に入った車は高級マンションの前に停車。
手下の男の開けたドアから降りたつとエントランスからインターフォンを鳴らす。

当然ながら反応はない。
この間も2人の男は顔を見合わせ小刻みに身体が震えている。
諦めるという文字がないかのように何度も何度もボタンを押し続け、ついには携帯電話を取り出し電話までかけ始めた。



「静?俺…類」
静まり返った空気の中、微かにもれる電話口の女の声


「何時だと思ってるの」
「今帰りだからしょうがないよね?」


同意を求めるようであって承知させる言葉。
カチッとエントランスのロックが解除された音が聴こえると2人の男はフーッと聞こえないほどの小さな溜息を零す。

コツコツと中へ足を進め振り返ると


「明日からのやつに、ここに迎えに来るように伝えて」
妖しいほどのビー玉のような瞳を輝かせ類付きの解任通告。



「へい」
「お世話になりやした」
「フッ…まだ組にいるでしょ」


別人かと思えるような天使の笑みを見せるとゆっくりと恋人の待つマンション内に消えて行った。



天使か悪魔か 策士か暴君か
謎めいた魅力を残し黒の世界は夜明けを迎える。


~Fin



*********
ちょっと類くんがクール過ぎたかな
どうしても雰囲気が穏やかになっちゃうので苦肉の策
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ  
応援エネルギーお願いしますッ♪
あと95話!!
実は私もコレがツボに嵌りました。長編書きたくなるぐらい
同じマニアの方がたくさんいらして良かったです

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kachi 様

こんばんは

類くん(笑)
どうもこのだるさ加減というか熱くならない男というか
これはもうインテリヤクザしかないという感じです。
策士の類くん大好きなんですよね。
黒王子大事です(笑)

静さん姐さんにぴったりですよね。
もちろん夜中だろうが何だろうが類ペースで
ごろにゃんでしょうね。

3時は…寝てますって(笑)

みかん様

今頃は石垣ですね
ゆっくりと楽しんでくださいね♪

若頭になっても我儘っぷりは健在ですね。
え?3時でも歓迎します?

エライなぁ
私…いや歓迎するわよね。やっぱり(笑)

えみりん様

マニア様大歓迎♪
あははは

インテリヤクザは類しかいませんよね。
私も銀縁メガネを書こうかどうしようかずっと悩んだんですよね。
シリーズにしたのでそのうち登場するかもしれません。

うふふ彫り物についても後で触れようと思いますのでお楽しみに。
F4の極道…ほんとみんなかっこいいんですよ。
文太さん最高です(笑)

purupuru様

穏やかなイメージがあるんですよね。
類くんって。

どうしてもやわらかくなってしまって
もうクールにしようと思ってたんですけど
我儘王子みたいです。あははは

でもインテリヤクザは彼しかいないかなぁ
これからシーンでの短編になるかと思いますがお楽しみいただけるよう
頑張ります。

95編…ほんとに書けるんですかね(笑)
なるべく短い期間でと思うのですが何せ自転車操業で あははは
コツコツ頑張りま~す。

さとぴょん様

あははは

みなさんホント極道ものスキだったんですね。
どうかなぁって恐々だったんですよ。
嫌だぁぁってコメントが多かったらどうしようかと(笑)

でも、個人的にもごっついスキです(笑)
イチブラもストックがなくなってきてやばーーい
頑張る~~ッ

aoi様

一言だけ申し上げます。

『ビンゴ』 あははは

刺青はですね 後々触れますのでね。
お楽しみに^^

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*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
クスッとウフッのハッピーストーリです♪

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