fc2ブログ
Counter
Welcome
現在の閲覧者数:
Calendar
プルダウン 降順 昇順 年別

11月 | 2023年12月 | 01月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -


LINK FREE


アート Balloon 3

最終話

さてさて・・・波乱は起きるのか? 

***********************************


やばいと思って急いで道明寺の隣へ座ると


「あんたが作ったのも愛嬌があって可愛いよ」
「だな。やっぱり司のは創造性があるよ」
「お前の描く絵と同じだ」


いや…西門さんそれ誉めてないよ?
ねぇ…それ正しい位置に納まってないって言ってるようなもんだよ?
足の長さが違うって言ってるんだよ?
だけど道明寺画伯には誉め言葉のように聞こえたらしいから
意味がわからない。



すぐに花を作り始めた花沢類…。
なんと植木鉢に入った花だ。


「類お兄様すごいッ」
「可愛いッ」


双子ちゃんは両手で持つと嬉しそうに眺め
「飾ろう」
「うん。可愛いから飾ろう」



…子どもってね…素直だよね。
道明寺の時はそんな事言わなかったよね…
いや飾れないっていうか立たないんだから仕方ないよね。



出窓のところにプードルと鉢植えのチューリップは並んで飾られ
それを見てまた2人で拍手をしている。


微笑ましいよ。
うんとっても。
隣から伝わる冷気さえなかったらとっても和やか。



だけどトコトコと走ってくると


「あたしのワンちゃん返して」
「あたしのお花も返して」


その姿さえ隠してしまおうと証拠隠滅を図っていた美作さんに
妹さんたちは可愛い手の平を出して返却を願い出た。



「い…いるのか?」
「あ?」


美作さん…焦って言葉のチョイスをミスってるってば…。
ドキドキとしすぎて心臓が口から飛び出しそうだ。



「いるに決まってるでしょ。可愛いんだから」
「そうだよ。すっごい可愛いんだから」


絵夢ちゃん芽夢ちゃん。
お兄さんもお友だちもみんな感動で涙が出そうだよ。
何ていい子に育ったんだ。



ホッとしたように美作さんが風船を手渡すと

「あたしが抱っこしてないと立てないの」
「あたしが持ってないと立たないの」


その言葉に笑いで身体が震えそうになったけれど
大事そうに道明寺の作ったブッ細工なワンちゃんとお花に可愛い頬を擦りよせている。



「道明寺…出来る男は人の心を掴むね」
「プッ…やっぱり司の絵と一緒だ。わかる人には愛される」
全身で安堵している美作さんは言葉すら発せないようだ。




嬉しそうにニヤリと笑ってから

「お前を愛してやれんのも俺様だけだ」



ひどい言葉なんだけどそうかもしれないよね。
だってあんたにはあたしがあの絵のように半分赤くて半分青い顔。
それでもって激しくズレていて耳が明後日の方向にあるように見えているんでしょ?
それなのにあたしがいいって言ってくれて
うるさいほど愛してくれてる。
素直じゃなくて強がりばっかり言うあたしの事も
面倒だって言いながら道明寺が折れてくれる事が多い。



何となく可笑しくて
何となく嬉しくて


「ありがとう」
あいつの目を見てそう伝えれば


「おぅ」
とびきりご機嫌な返事が返ってきた。



「司、俺にも犬作って」


そんな甘えたような声で言う花沢類に
あたしたちの口は大きくあいた。



そしてこっそりと耳栓をつけてソーッとあいつの顔を見上げれば
準備は出来たかとばかりに優しい笑顔。


キュンッ


恐怖感の後のこの笑顔は、あたしの中の乙女心をノックした。


「何赤くなってんだよ」
「な…なってないから」


ポンッとあたしの頭に乗せられたあいつの手の重みで
乙女のドアは無意識のうちに開いてしまう。



「道明寺」


名前を呼ぶのは大好きという言葉の代わり。


「帰るか」
風船を置きあたしが頷くのを待っている。



コクリッと頷けば
「類は自分で作れ」


そう言ってあたしの耳栓を外してくれて
風船を持つよりずっと
優しく手を繋いで歩き始める。



「力が強いか?痛いか?」
心配そうに何度も何度も聞く道明寺。


「ううん大丈夫」
答えながらもクスッと小さな笑いが零れて


「あんたの心はいつもあたしに優しいよ」
「お前ぇより大事な物がねぇんだから当たり前だ」


乙女心のドアが閉じるまで
あと僅か数分・・・


「あたしが惚れた男は世界一だ」
「当り前ぇだ」
「神に選ばれし男だからでしょ」


クスッと笑えば
「お前に選ばれた男だからだ」



バルーンよりもっともっとメルヘンチックな世界へ
連れていってくれるのもこの粗暴すぎるぐらい粗暴な男



だけどやっぱりあたしには


「あんたしかいない」


そう言わせちゃうぐらい愛する男だ。


関連記事

COMMENT

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

初めてコメントさせていただきます。アートシリーズはririkoさんの持ち味が活かされますね。まさに圧巻です。数多くの二次小説を読んでまいりましたが初めてコメントをしたいと思うぐらい引き込まれました。可愛らしさと癒しと愉しさを一度に短いストーリーに込められ思わず上手いと唸りました。このシリーズを続けてくださいね。ririkoさんの独特な感性を大切になさって下さい。

めいめい様

めいめい様もマニアでいらっしゃる(笑)
F4のいつもと違った面というか
無邪気さがアートシリーズ。
単純にクスッと笑っていただければOK!

双子ちゃんとの絡みは完全に司はたじたじでしょうね。
あきらはヒヤヒヤみたいですけど。
あははは

坊ちゃんの坊ちゃんはそりゃぼぼにね・・・
あははは

いやぁRは私は思うように書けないですね
って何を思うんだ(笑)
まぁ 私らしいというか私路線というか
作風はなかなか変えられませんね。

アートになるもの募集してます!!

塔子様

はじめまして。
コメントありがとうございます。
そしてマニアの世界へようこそ♪

いやぁ…私の書くものは落書きみたいな感じで
みなさんの作品を読んでいる方が私は感動したり嬉しくなったり
ものすごーくせつなくなったりします。
ここは箸休めって感じで(笑)

SSは正直言ってとても難しいです。
その中で何を伝えたいかに絞っていくのですが
削除削除また削除という感じで消去法ですよ はい。
結果として不完全燃焼のようなものになったりしますね。

一気に書き上がった時の方が自己満足も高いです。
あははは

独特な感性…
これよくコメントでいただくんですけど
自分ではあまり良くわからないんですよね。
まぁ作風も変えるのは難しいので私なりにボチボチ頑張ります♪
アートシリーズはアートになるもの募集中です(笑)
これからもよろしくお願い致します。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ミント様

マニアを恥じる事なかれ!!

あははは

もう何アートにするか必死で検索しました。
風船を見たときに司が割るしか思いつかなくて(笑)
実はこの話に後で書きたい話の伏線があるんです。

書きかけで放置してますけど・・
閃いたら完成させたいですなぁ。

微エロ…甘美な響き(笑)

No title

こんばんわ。^^
いつもにやけながら拝見しています。
いやーもう引き込まれちゃってます。

砂絵アートとか見てみたいです。笑



うさぎ様

マニアの世界へようこそ♪

アートシリーズは私も書いていて単純に楽しいんですよね。
クスッって笑えばOKです。

サンドアートですか…
ちょっと考えたんですけど
描写が難しくて保留中…
色とか図柄とかむちゃくちゃ細かいじゃないですか。
私って形容詞とか少ないし表現力乏しいから
説明が出来なさそうって
あははは

でもステキですよね。
お土産でいただいたのがいくつか部屋に飾ってあるんです♪

EDIT COMMENT

非公開コメント

Profile

*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
クスッとウフッのハッピーストーリです♪

Latest story
All article display
全タイトルを表示
Search
Anniv.