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ラテアート 2 前篇


今日は美作邸へケーキの試食会に呼ばれたあたし達。


「お前らが来てくれてまじで助かる」
「いや、逆に嬉し過ぎるわよ」


ケーキスタンドには夢子さんの新作のケーキが
何種類も美味しそうに並んでいる。


「最初はフルーツタルトにする」
「このチョコのコーティング見ただけで美味しいって感じる」
「ねぇそっちのレモンの取って」
「滋さん乗せすぎですって」

ソファーで訝しげな顔をしているF4を無視して
あたしたちはケーキを食べながらおしゃべりが止まらない。



『ラテアート』
美作さんが上手だったっていう話しから始まった…

「最近3Dのとかあるよね」
「そうなの?」
「この間雪だるまのをいただきました」
「「へぇ」」
優紀とあたしはその3Dとやらを見たことがない。

「やってみる?」


ティーセットを届けてくれた夢子さんに
あたしたちの会話が聞こえたらしく
いらっしゃいと手招きしてくれた。


その仕草もどうみたって母親には見えない可愛らしさ。

そして当然のようにキッチンまでも可愛らしく
絵本の中の世界としか思えない。


「ここのキッチンは私専用だからよ」
「そうなんですか?」
「シェフたちはさすがに嫌がるわ」


そりゃね…

心の中の呟きをそっと隠し
エスプレッソマシンの使い方を教えていただいた。

そしてミルクを泡だて…
まぁ…全部機械がやるから手を添えるだけっていうのが正解なんだけれど

「ねぇ…難しいのムリだからさ、あれにしようよ」
「あれって?」

まぁね…滋さんの言いだす事だから何となく想像は出来たけれど
優紀とあたしは辞退を申し出た。


「ダメだよ。どれがいいか選んでもらうんだから」
「好みとかわかりますよね」
「へ?」
「好みって…」


優紀はあたしよりも先に真っ赤になった。
ちょっと遅れて意味を理解したあたし…



楽しそうにすぐに始めた滋さん。

「このぐらいのボリュームは必要よね」
「私のはこんな感じですわ」
「そそるねぇ」
「これを飲む姿も見ものですわ」

チョコレートやココアパウダーそれにピンクの食紅まで使いだし
実にリアルな3Dアートが作られていく。



固まっているあたしたちに
「つくし達も早く早く」
「ただの遊びですよ」


あまりの勢いにおずおずと優紀もあたしも見様見真似で作り始めた。



「牧野先輩…ラテアートまでAカップですか」
「これで十分かと…」
「優紀ちゃんのは実物通りって感じ」
「やっぱり自分のを見なれてますからね」
「えっ…やっぱり無理です」

もうホイップされたミルクがプルンッと揺れ出しそう…



トレーに載せられたラテを取り返そうとあたしたちは手を伸ばした。
だけどそれよりも早くトレーごと向きを変えると

「誰のかわからないんだから平気だよ」
「滋さんのは予想できると思いますけどね」



嬉しそうにキッチンを出て行く2人を呆然と見つめ


「つくし…」
「優紀…」

そこから出られず立ちすくんだまま…。



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*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
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