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Mint 59



「さぁ。業務の開始です」
「はい」

中へ入り会長に向かって挨拶をするとチラッとこちらに視線が向いた。


「お手並みを拝見します。不要であればすぐに排除します」
「はい」

当然ながら予想を裏切らないほど広い会長室
ガラスの低いパーテーションで仕切られた場所に置かれたパソコン。
そこが私のデスク。

電話の操作や業務の確認をしていると河野さんから


「私は、会長と一緒に同行するのでほとんど社内にはおりません」
聞こえてきた言葉に驚いた。

「えッ」
「それでも日本へ向けての仕事もたくさんあります。それを牧野様がこなしていただけると私の負担も減り会長と同行している間そちらに集中が出来るというわけです」


「不安ですか」
「はい」
「メールや電話で指示はお出しします。緊急で困った時には西田がいつでも牧野様の力になるでしょう」


簡単に言うが西田さんも不在が多い。


「秘書室は苦手だと伺っております」
その言葉には正直に頷いた。


「その時こそ社員証に誇りを持ち下を向かずお尋ねになってください。あの部屋の中に牧野様の質問に答えないものは存在しません」
「あ…はい」

「孤独との戦いの日も多いかと思います」
「大丈夫です。独り言のプロになりました」


河野さんは吹き出しながら

「室長の指導はそこまで行き届いてましたか」
「え?」


西田さんは、最初からあたしを道明寺の秘書ではなく会長の秘書としてあたしを指導していたらしい。
そこに会長との話し合いがあったのかどうかはあたしにはわからない。

でも、あの離れ小島での1人で過ごす時間、
仕事に対する集中力、
その場にいないものからのメールでの指示の理解、
緊急の時のやりとり、
あらゆる事を教えていただいていたように思う。





「さぁ、こちらの書類を整えてください」
「はい」


時々開くべきデーターフォルダーの場所を聞いたり表現の間違いがないか聞いたりしながら会長の不器用ながらもあたしに送ってくれた思いやりに応えようと一生懸命仕事に取り組んだ。


それなのに邪魔をするかのようにマナーモードにしている携帯がブルッと振動する。

これは、デスクに座ってすぐに河野さんから言われたこと。


「司様からの連絡がわかるように携帯を机上にと室長からの伝言です」
そう言われた。


何度も何度も震える携帯に河野さんが吹き出し


「牧野さん、お答えになってさしあげてください」
「仕事中ですから」
「いえ、仕事の為です」

仕方ないと携帯を手にすると着信をはじめ、
どうぞおでになってくださいと笑われあたしは電話に出た。


「何ですぐに返信しねぇ」
「仕事中だから」
「仕事してたって出来んだろ」
「何?急用?急用じゃないなら切るよ」


さっさと電話を切ったあたしに河野さんはさらに吹き出し
様子を伺うように首を伸ばして覗き見ると少し離れた場所にいる会長は怪訝な顔をみせた。


「す…すみません」

スマホの電源を落とすと今度はあたしのデスクの内線が鳴る。


「会長室牧野です」
「何で電源落とした」
「いい加減にしなさいよ」


あたしは電話を置くと

「内線って着信拒否とか出来ないんですか?」
少し声が大きかったみたいで河野さんは堪え切れないとばかりに声を出して笑っていた。


またも首を伸ばし怖々と会長の方を見ると呆れてものも言えないという表情がありありとわかり
すみませんと頭を下げるしかない。

あまりに何度も鳴るので受話器を外しておくと電話機から受話器があがっておりますとお知らせが響く。
戻すとあいつからの内線が鳴る。


ほんとに仕事しているのかと苛立ってくる。
内線の線を抜いてしまおうかと思った時、河野さんの内線が鳴り


「室長が、例の言葉をお伝えくださいと」

あたしはそれが何をさしているのかがわかり
途端に顔が赤くなった。


だけどまた内線音が鳴り響いたのでこれじゃ本当に仕事にならない。


「すみません。西田さんからのアドバイス通りにするので笑うの我慢してください」
そう言ってから内線を取り


「道明寺、あたし仕事してる時のあんたすっごくいいと思ってるの。離れていてもそう思ってるから頑張って」
「お…おう。昼一緒に食おうな」
「うん、じゃあ頑張ってね」


受話器を置いてハァとため息をつくと室長はそんな事まで指導したのかと河野さんはお腹を抱えて笑っていた。


「あの愚息を働かせるのは牧野さんの腕にかかっているのは事実のようね。こんな事は今日一日限りにしてちょうだい」


いつもの厳しい顔つきのままフッと息をつくとすぐに仕事に戻られていた。


「タイムリミットは今日一日だけです。今日中に専務を上手に手懐けて下さい」
「手懐けるって…あいつをですか?」
「そうです。牧野様にしかお出来になりません。これも道明寺ホールディングスにとって重要な任務です」


やれやれ。どこまで我儘な坊ちゃんなんだよ。
大きなため息が零れたけれど西田さんから教わっていた言葉は魔法のようにあいつを落ち着かせうるさいほどの連絡が止まった。


そしてあたしもやっと集中する事が出来、
道明寺の妨害で遅れてしまった分を取り戻そうとキーボードの上を指が忙しく動きまわった。


********
坊ちゃん社内ではお静かに
次はラストだよんッ
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COMMENT

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せり様

司くんはもう思いが伝わってからは
妙に優しくて大人でそしてメロメロ
あはは

楓さんはほんとにここまで愚息とは…
なんて呆れてたりして(笑)

私もMintはすんなりと話が出てきて
とっても書きやすかったお話でした^^

あーちゃん様

司くんこういうとこ可愛いですよね。
抱きしめたくなっちゃいます(笑)

aroma066様

印籠を手にしたつくしちゃんとあの意地悪秘書
それ書きたかったんですけどね…

いつか番外編で印籠の威力発揮させましょうか(笑)
トゥエーイ この社員証が目に入らぬか!って(笑)

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*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
クスッとウフッのハッピーストーリです♪

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