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eve 60



1Fに着きエントランスを抜けると止まっているリムジンに乗り込む。
視線をうつすと端で小さくなっている牧野が目に入り
心の騒めきさえ吹き飛んで思わず笑っちまう。


「ただでさえ小せぇんだからそんな事しなくたって平気だ」
「ひどいわね」


走り出すとズリズリと俺の近くまで移動を始めるがそれが待ちきれず
俺は牧野へ腕を伸ばすと思いきり自分の方へ引き寄せた。



「緊張した毎日だったって?」
「うん。何もないんだけど騒ぎになったらどうしようって勝手にハラハラしてた」
「悪かったな」
「大丈夫よ。あたしだってその場にいたんだから同罪。これもeven」


お土産のバッグの入った袋を手渡したが


「仕事で行ったんでしょ?ましてこんな高級ブランドのものなんて」
予想通り受け取ろうとはしない。

西田と初めて肩を並べて相談しながら選び、福利厚生の一環だと笑うと牧野の表情もやわらぎ始める。



次からは絶対にしないでと何度も言い俺は適当に返事を返す。
取り出したホーボバッグを見て大喜びをするその笑顔で
次は何を買おうかと考えちまう。



「あたしが持っててもおかしくない?」
「誰が選んだと思ってる」


クスクスと笑う牧野の頭をそっと撫でてしまうのは、無邪気な姿の可愛らしさと予想してしまうリスクの罪悪感
それなのに俺の顔をみると心配そうな顔で疲れているのか、何かあったのかと気に掛ける。



「もしかして、見せなかったからご不満とか?」
「そうだな」
「管理職なら誉めるべきだと思うけど。守秘義務だよッ」


人差し指を立てクイックイッと動かしながらどこまでも明るく語って見せる。
何かされなかったかと聞くのは、その実行者が自分の親であるから口にする事を躊躇う。



「たぶんだけど…あたしが思ってた事とあんたが心配している事は大きく違うよ。だからそんな顔しないで」


そう言われて、俺は自分の表情が不安気に変わっていた事に気づく。


「そりゃ当然びびったわよ」
俺の足をパンッと勢いよく叩き


「だけど今のところは、本当に仕事の話しかしてない。会長とはあんたと契約する前だよ?やり取りは多少はあるけど仕事の話しよ。NYは寒いからお身体お気を付け下さいって書けば有難うって書いてくれるし通勤途中で福寿草が咲いているのを見ましたって追伸で書くと残雪の中でも春を感じ小さな黄色い花を咲かせる強い花って書いてくれるのよ?」

「会長が書くのか」
「うん。会長も福利厚生が必要なんじゃないかな」



邸にある温室のバラは咲いているのだろうかという呟きを聞かされても俄かに信じ難い。
もっと聞こうとするとこれ以上は言えない。今のは違反を犯してまで安心させる為に伝えただけだからと完全に話を終えてしまう。



「社長…」
「社長?あ…あんたと入れ違いに日本に戻ってたよ。会社で会った」
「会ったのか」
「会ったって言っても偶然みたいなもん。部長と話してたとこにあたしが戻ってあの企画を部長が説明したから牧野ですって挨拶しただけ」


牧野、それ絶対に偶然なんかじゃねぇぞ。
わざわざ広報に行くかよ。
俺だってお前がいなきゃ行こうとも思わねぇ。


「他には」
「ん…やっぱりいいもの食べてると綺麗な顔になるんだなって思った事ぐらい?」


相変わらずの能天気さに安堵から笑いが込み上げる。


「何か言われると思ったんでしょ?正直あたしも思ってた」


これは、牧野の正直な感想だろう。
ごめんねと言いながらも自分の気持ちを話してくれる。

一社員として存在しているのであれば仕事に関してしか言わないだろう。でもそれを越えたら言われて当然と覚悟をしていると迷いがない。


「指摘される事を増やさない為に気が抜けないわ。頑張ってよパートナーさん」

恐らくこいつは、雑草並の底知れぬ力強さを持った女なんだろう。


「ちょっとやそっと踏まれたぐらいじゃ生き返るから」
小さく笑う牧野を堪えきれず俺は抱きしめた。


**************
一番近づけたくない人たちが接触 
でも仕事と割り切る強さに拍手ッ
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空色様

こんばんは

今回のつくしちゃんの頑固さは
司くんに対してというよりも仕事に対して出てきますね。

花沢物産への転職も頭の中にいれて
目の前の事を片づけるってとこだったりして?
あははは

類くん頑張れってとこ?(笑)

ゆみん様

今回のつくしちゃんは司くんに対して頑固というより
仕事に対して頑固なほどの強い意志を持った女性ですね。

うんうん。踏まれても負けないで頑張ってほしいです。

まあも様

何事もなくて一安心ですね
良かった良かった。

朗読発表会もいろいろな試みをするんですね。
とても面白そうですね。
人から聞く意見って目から鱗な事が多くて
あぁそういう考え方があるのかとか
同じ言葉を聞いても受け取り方が違ったりで
一生勉強とはほんとだなぁと思います。

社長と会長は味方ですかね?
これから話はどんどん進みますのでお楽しみに

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*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
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