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09 四龍恋鎖 西門組若頭編

つくしとのCPではありません。
あまりに残酷な描写はしていないつもりですが、苦手だと思われる方は飛ばして下さいね。





疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し
西門組若頭 西門総二郎を人は風林火山と呼んだ。

西門組は極道の中でも、もっとも規律の厳しい組である。
チンピラと言われる風情の極道は1人もいない。
『義を貫く』
仁義という極道の世界にぴたりと嵌るのが西門組であろう。健全な魂は健全な肉体に宿るという黒の世界では考えにくい家訓。恐らくは真の極道としての魂を言っていると思われるが健全な肉体、すなわちそれを冒す薬物を代々禁じていた。



「若、例の男たちがまたドラッグを売りさばいてやした」
「買ったのは」
「へい。大半が堅気と思われる若者たちでごぜぇやす」
総二郎は、熱湯を急須へ注ぐと二度三度軽く湯を回し頃合いを見て湯呑へと注ぐ。



「おい、茶柱が立ったぞ」


総二郎のこの言葉に手下の男は息を飲んだ。
和服姿で正座をして座る若頭の姿勢は美しく、動く指先までもの所作は極道ではなく茶の湯の世界を思わせる。

荒々しい言葉で話すこともなく徐(しず)かなること林の如くと思わせる。だが一度動きを見せると火の如く燃え盛る。最高温度までの到達時間の速さはまさに風の如し。総二郎を取り巻く空気そのものがメラメラとした烈火のごとく燃え盛りこれを止めるものは誰1人として存在しない。

炎の中にギラリと目を光らせ獰猛と化した姿を見たものは、来る日も来る日も眠れぬ夜を過ごすほど恐怖心を刻み込まれる。
手下の男は平和そうな茶柱という言葉を発した総二郎から空気が変わった事を感じざわざわとした気配に落ち着きを失くす。



「どうした」
「い…いえ。何でもあ…ありやせん」
総二郎は男の言葉に深追いをする事もせず、湯呑を手にすると味わうようにゆっくりと口につけた。

「近藤、前野、興津、宮田、倉橋」


若頭から聞こえた名前を腹の中で復唱すると男は静かに和室を立ち去った。
座卓の上の携帯を手にするとすぐに発信ボタンを押す。
数度のコールのあと


「優紀、茶柱が立った」
小さく笑いながら電話の女へとそれを伝える。
「え?茶柱?うふふ、今日はいい事があるわね」
「あぁ」
聞こえてくる声に目を閉じながら相槌をうつ。

「今夜、行くから」

総二郎からの言葉は優紀の家へ行くという連絡。
だが、それで何かを察したように女の声は急激に沈んでいく。


「優紀」
「うん。待ってる。でも0時を1分でも過ぎたら絶対に入れない」
「あぁ」
「0時までに必ずよ」
「あぁ」
「気を付けて」


止めたいのも叫びたいのも泣くことさえも我慢するような声でじゃあねも言わずに切れた電話。フッ優紀は本当に入れてくれねぇよな。玄関前で立ち往生する自分を描いて笑いが零れた。


次に電話を掛け始めた時には、手筈を整えるかのように要点のみの伝達事項。




夜の帳が落ち繁華街の空気が闇色に近づくと名前を告げられた男たちは動き始める。
その間に総二郎は身を清めるように風呂に入る。

その背に掘られているのは鮮やかな牡丹が咲く天空を翔ける馬の背に猛々しい鎧姿の武士と抱いているのは毘沙門天。闇と同じ色の黒の着物に着替えると迎えの車へと乗り込んだ。後部座席で瞼を閉じここに存在していないその場所を見透かすように僅かに身体が動くのは立ち回りだろうか。懐の懐中時計を見て


「オムライス作ってくれっかなぁ」


あまりに突拍子もない言葉に運転していた男の手元が狂い車は軽く進路をぶれる。
廃屋が並ぶ鄙びた通りで車を降りるとゆっくりと歩みを進める。
一糸乱れぬその動きに同行する組員たちの動きもピタリと揃い始める。一軒の建物の前で先導していた男の足が止まり


「若」


その声と同時に両手で持たれた日本刀が差し出された。
右手でそれを受取るとゆっくりと流れるように左手に持ち替え下へと降ろす。

ガラッと勢いよく開かれた扉
瞬時に総二郎の視界に入ったのは、小さな袋に入った白い粉。


「誰だ」
男がその言葉を発したのと同時にカチャッという引き金を引く音。
燃え盛る炎となった男は微動だにせず立ちはだかる。
頭と思える男を探し出すのも一瞬の出来事。


弾きと日本刀その勝負の行方は甲高い銃声音と男の悲鳴。
1人また1人僅かな動きが見えたものから総二郎の刀は男たちを床へ沈めた。


「人の島で勝手な事しくさってんじゃねぇぞ」


怒声の後で振り下ろした刀はそこで止まることなくさらに振り上げられた。
パラパラと総二郎の上にも通り雨のように赤い霧雨が降り小さく息を吐くと瞼を閉じた。



「若」


何も出る幕すらなかった男たちは、床に沈み唸り声をあげる男たちを蹴りつけながら総二郎へと声をかけた。
再び懐へと手を入れた総二郎は懐中時計を取り出し


「15分前か…やべぇな」
後は頼んだと背を向け歩き出す。気のせいか若干足早に見えるのは優紀との約束の為か否か。



「おい、早く車出せ」
「どちらへ」
「オムライスの予約してねぇんだよ」
「優紀さんのとこでごぜぇやすね」


バッグミラー越しに合った視線で笑みを交わすのは運転手の川田。
言葉の代わりに頷き再び瞼を閉じる。



あぁ…こんな血の匂いをさせてたらまた泣かれっかなぁ…
俺が怖くて堪らねぇよ。
てめぇの身体に染み付くようで…堪んねぇんだ。
なぁ優紀…お前の匂いで埋めてくれ
俺に染み付くのはお前の匂い…それだけでいい。
なぁ…優紀、俺を救ってくれ。


~Fin



*************
総ちゃんファンの方ごめんなさい
日本刀持ったらやっぱりこう…
なんていうかバサッバサッと…極道ものなのでね。
ほんと申し訳ないです。
酷い描写にならないよう気を付けたつもりですが
不快感を感じられた方がいらっしゃいましたらお詫び申し上げます。
大丈夫です。みんな生きてます

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aoi様

風林火山を使ったので武田信玄でいくでしょう。
したがって孫六兼元ですねw
何てマニアな会話だ。あははは

えみりん様

その掛け声とっても嬉しいです(笑)
いやこれ…実は直前までもっと血生臭い描写があったんですけど
花男でどうなのかなぁと思っていくつか削除したんです。

極道だと当然だけれど花男なのでね…
課題だわ…
バッタバッタと斬ってます ビクッ
かる~くです。かる~く
いやぁ難しいです。

茶柱と優紀とオムライス 総ちゃんの三種の神器でしょうか(笑)

kachi 様

こんばんは
今日も伴走の応援有難うございます。
総ちゃんはどうしても和になってしまいますね
その方がみなさんのイメージも一致しやすいかなと思いながら書きました。
どんなタイプの極道にしようかさんざん悩んで風林火山(笑)
静かな時と激しく勢いのある時
これが総ちゃんかなと思いました。

優紀ちゃんも芯の強い女性ですよね。
柳のような感じでしょうか。素敵な女性だと思います^^

みかん様

旅行中までほんとに伴走と応援どうも有難うございます。

こっちの総ちゃん(笑)男でしょ~
任侠ですよねぇ
私はとってもスキですよ。これぞ極道という感じで。
ただ花男なのでいろいろ描写に悩みました。
えぇl’oiseau bleuなのでね。事件すらないサイトなので。
あははは


イチブラ本日 噴火いたしました(笑)
乙女楽しんでくださいませ♪

purupuru様

極道はこれですよね。
はい。私もとってもスキなんですけど
花男だという大きな壁が(笑)

悪の中にも悪はありますからね。
その点では正義の味方だと思います。あはは

優紀ちゃんのオムライス食べられたはず。
きっとケチャップでハートが(笑)

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*ririko*

Author:*ririko*
花より男子の二次小説です。
CPはつか×つくメイン
クスッとウフッのハッピーストーリです♪

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