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幸せのセオリー 9


京都へと行っていたクレア戻るとお土産といって八つ橋をくれた。
美味しいと喜ぶ私の前で複雑そうな顔でそれを口にする。



人の味覚など様々で、美味しいと思えるものなど様々だ。だがクレアにとってそれはひどく罪に感じるようで一瞬だけ悲し気な表情をみせる。例えそれが、食してきたものの違いと説明しても国籍は関係なく日本人でも全員が美味しいと感じるものではないと説明してもクレアの罪悪感は消すことが出来ない。



「あたしもさ、子供のころって和菓子があまり好きじゃなかったのよ。だけど年齢とともに和菓子が美味しくなってきたっていうかね」

「同じ年齢じゃない」
「そうだけど、食べてきた回数が違うよ」

国籍の違いが西門さんとの間を阻むという事を強く感じているからだと思う。
必要以上にクレアは日本人に近づこうとする。


「和食はスキなの結構あるじゃない」
「うん」


それでも真面目過ぎるというか、どうにかして克服しなければという想いが強いのか西門さんとのこれからのために必要なことだと追い込んでいるように感じる。



「つくしだってたくさん努力したでしょ」


たしかにあたしも努力をした。同じように道明寺とのこれからにとって必要なことだった。だけど知識として身に着けていく努力と培ってきた味覚や生まれ持った容姿ばかりは仕方のないことだと思う。



「あたしだってさ、モデルみたいになれって言われたらなれないのよ」


この言葉はクレアの張り詰めた気持ちを解くのに有効な言葉だったようで失礼なぐらい笑った。
それに怒るよりも安心してしまった。

邸の中でもクレアとは日本語と英語と半々の会話だ。
それはクレアが望んだことで、日本語の補足に英語を使う程度のもだ。あたしは、英語しか話せない環境の中でかなりのストレスを感じた。話せる人がいたなら、すぐにでも喋り出したいぐらい日本語が話したかった。


けれど拙すぎるあたしの英語を聞き取ろうとしてくれたクレア、そしてレノン家の人々がいたからそれを乗り越えていくことが出来たわけで感謝してもしきれない。



クレアが望むのであればとできるだけ正しい綺麗な日本語を使うように心がける。
正直なとこ、これはあたしにとっても必要なことでタマさんは大賛成だった。


「つくし、あんたのそのあたしっていうのもなおさなきゃなんないね」
「タマさん、あんたじゃなくてあなただから」


教える方の人間たちがこうだ。それでもクレアの真剣さにうたれて出来る限り綺麗な日本語を心がけているのだが、予想以上にあたしの方がしんどかった。



まぁ、優秀なるDNAを持ったクレアは、口語を理解しその正しい言い方は?と聞きなれない単語を尋ねてくる。
その度に自分の日本語の乱れに苦笑いだ。


ケラケラと楽しそうに笑うクレアは、実に前向きだ。


「つくしの英語に比べたら通じてるかもしれない」


そう言って大笑いするクレアの身体をくすぐり、NYのレノン邸での生活のようにふざけ合う。あたしにとってクレアとの時間に助けられたようにあたしも手助けしたいと思う。西門さんとクレアの時間とはまた違ったあたしだから出来る役割というか、そんなもののように感じている。



アメリカでは、道明寺HDよりも大きいレノン社。
そこの一人娘であるクレアの背負うべきものはあまりに重いだろう。


その環境も歩もうとしている道も誰よりも理解しているのは紛れもなく道明寺だった。


どんなにそっけなくかける言葉であってもクレアを気に掛ける道明寺が可笑しく崇拝とも思える態度で話を聞くクレアの姿もあたしには微笑ましくうつった。



**************
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