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幸せのセオリー 39



相変わらず吐き気と戦う日が続いているが、それはあたしの身体だけでなく様々な変化をもたらせている。


あたしの体調を気遣っての事からだったようだがクレアが物事を吐き出す先が完全に西門さんへとスイッチした。西門さんは穏やかなタイプの人ではないと思う。クレアも然り。だが喧嘩をして何日も口をきかないとか、怒って帰るとかそういう行動は見受けられない。あたしたちがあまりに大人げないのだろうかと思ってしまう。



「喧嘩しないの?」
そう聞くあたしは、好奇心だろうか。


「するよ」
普通に答えるクレアがその先にこの間なんてさと愚痴が続くこともない。



「即解決するの?」
「割とそうかも」
「大声で言い合いとかならない?」
「大声にはならないかな」
「どうやって喧嘩するの」


しまいにはツクシは何が聞きたいのとクレアは笑っていたがどうやら言い合いが始まると西門さんが日本語でも英語でもなくフランス語に変えるらしい。そのフランス語というのが何ともムカつく感じがしてしまうのは、喧嘩するほど話せるという羨ましさがあるからだろう。



「総二郎さんもあたしも話せるけど、使い慣れた英語や日本語と違って多少の緊張感はあるから聞き取る方に集中しちゃうのよ」
「それ、云えなくて余計にイラッとしないの?」
「言えないわけじゃないもの」

自分基準だったことに苦笑いだ。



「それにフランス語の響きって甘いでしょ」
「あたしは、それを感じる余裕すらないわ」
「愛を囁く言葉がフランス語には溢れてるし」


あぁそういうわけね。
言い合いも何もかも可愛いからとか愛しいからとかそんな風に持っていく西門さんが想像できた。女子力を持って聞くとそれは羨ましさもあるが、あたし達の場合道明寺がどんなに上手にフランス語で言ったとしても顔が怒ってるし語気も強いだろう。

それにあたしも何言ってるかわかんないんだから日本語で言いなさいよ間違いなく言うだろう。


だけどそれだけじゃなく西門さんが考えたのは、きっとフェアな立場での意見のぶつけ合いのようだ。母国語で話す人間の方がどうしたって語彙が広くまた解釈の違いに相違が出る。このさりげない思いやりであってもかゆくなりそうな甘さを忘れないのが西門さんだろう。


「どちらも堪能の人間の成せる技ね」


貧乏百姓が鍬を持って必死に戦う姿を想像させるあたしとは、やはり違いがあるものだと口元が緩んだ。

それから家元夫人の話がクレアの口からよく聞こえるようになったのも大きな変化だ。

「失礼な言い方かもしれないけど」


そういったあとで紡がれたのは、母としての努力をされているという言葉だった。クレアが感じるのだから、子どもである西門さんも賢三くんもそれを感じとっているだろう。


「総二郎さんが、よく驚いた顔をする」

その驚きは、次第に照れくささと喜びに変化することが目に見える。


「何か煩いって文句言ってる」


西門さんが言っている様子すら想像出来て思わず破顔してしまう。家元はやはり立場的に難しさがあるのだろう。それでも、心の中には親としての顔を秘めていると思う。秀一さんへの怒りが立場による破門であり絶縁という悲しい結末だったが、だからこそ絶たれたものが再び結ばれる日を願わずにはいられなかった。



それに西門さんと賢三くん兄弟もまた今までとの違いが感じられる。
そもそも、弟がいたということをあたしは知らずに来た。そのぐらい西門さんは『個』として存在していた。どちらかというと賢三くんは、兄たちを慕っていたように思うが、それは一方通行のようでそうなってしまっていたのも次期家元という重い重圧に『個』として西門さんが背負っていたからだろう。



話し合う気のない言葉のぶつけ合いから、解決へ向けての言葉のぶつけ合いへと変化し、同じ方向を見ているということが歪みを生まない。それに今度の場合西門さんが賢三くんに対して負い目に近いような感情を抱いている。秀一さんが西門さんに感じてきた思いをまた西門さんが感じるきっかけとなった。


末っ子は強いというが、確かにそうだと思えるのは、賢三くんはもっとずっとどっしりとそれを受け止めている。

「生まれたときから、俺だけはいつも除外視され期待すら感じてなかったけどその分、楽しい青春ってやつを送ってきたからね」


負い目を感じる兄たちとは違い自分に目を向けられることに喜びを感じている。期待すら重圧ではなく励みに感じている。


「俺がどんなに成長しても兄貴たちと比較する土台にさえあがってなかったのが、最近は親父が稽古のあとで少しだけ優しく感じるんだよね」


家元とどこまでも言い続ける西門さんと違い親父という賢三くんが西門家に必要だった風を送り込んでいる。西門さんにはどうしてもある負い目から、その接し方にも威圧感がなくなり


「さすがにパシリにしようとしたらどつかれた」


当たり前でしょと笑って聞きながら兄弟としてもまた歪みを修正していることを感じた。


************
2CPを平行して書くのは難しいぞ(笑)


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花より男子の二次小説です。
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